「ストレス社会の不眠」は気のせいではない

「ストレス社会の不眠」は気のせいではない
自律神経の乱れとしての不眠を理解する

鍼灸師 佐伯

鍼灸師 佐伯

「気の持ちよう」ではなく、体の仕組みとして説明できます

こんにちは。はりセラ淡路町院の佐伯です。はっきりした身体的な原因が見当たらないのに、ストレスの多い時期になると決まって眠れなくなる。そんなご相談を、当院でも数多くお受けしています。今日は、不眠を自律神経の状態として理解する視点と、その緊張を専門的にほどく方法をお伝えします。

こんな経験、心当たりはありませんか?

  • 忙しい時期になると、決まって寝つきが悪くなる
  • 体は疲れているのに、考え事が止まらず眠れない
  • 「気の持ちようだ」と言われることに納得できない
  • ストレスが落ち着くと、自然と眠れるようになる

これは、脳が夜になっても覚醒レベルを十分に下げられない「過覚醒」という状態として説明でき、体の外から働きかけて緩めることができるものです。

不眠症の中心的な病態仮説の一つが「過覚醒」で、ストレスが交感神経系の働きを介して夜間も覚醒レベルを下げにくくすると考えられています。気の持ちようではなく、神経生理学的に説明できる状態です。

効果には個人差があります。

不眠症の中心的な仮説「過覚醒」とは

不眠症の神経認知科学モデルでは、複数の生理指標において過剰な活動状態、いわゆる「過覚醒」が一過性の不眠を引き起こし、これが繰り返されることで不眠が慢性化していくと考えられています。過覚醒の状態では、心拍や脳の活動レベルが夜になっても十分に落ち着かないため、体が疲れていても眠りに入りにくくなります。

ストレスが自律神経に与える影響

01
⚡

交感神経が優位な状態が続く

神経生理学

ストレスの多い状態が続くと、体を興奮させる交感神経の働きが優位なまま維持されやすくなります。本来、夜になると副交感神経の働きが優位になり心身が休息モードに切り替わりますが、この切り替えがうまくいかないと、体は疲れていても脳や心拍は活動的なままの状態が続きます。

ストレス → 交感神経が優位な状態が続く → 夜になっても切り替えが起こりにくい → 過覚醒による不眠

耳と迷走神経、自律神経の関係

耳には、自律神経の中でも副交感神経に関わる迷走神経の枝(耳介枝)が分布していることが知られています。ストレスによって交感神経優位に傾いたままの状態を、体の外から直接ゆるめられる数少ない入り口が、この耳です。当院が専門とする耳介鍼通電は、この部位に通電することで、緊張しきった自律神経に対して耳から直接アプローチする施術です。

実際に、経皮的に耳の迷走神経領域を刺激する研究では、慢性的な不眠を持つ方の睡眠に関する指標が、刺激を行わなかった群と比べて改善し、その変化が刺激終了後も一定期間維持されたことが報告されています。ストレスで張り詰めた毎日を送る方にこそ、一度体感していただきたいアプローチです。

一人で抱え込まないために

忙しい時期の不眠は、その時期をやり過ごせば自然と落ち着くこともありますが、症状が長引く場合は一人で抱え込まないことが大切です。深呼吸の時間を意識的に作る、忙しい日でも寝る前の5分だけは何も考えない時間を確保するなど、小さな工夫から自律神経を休ませる練習を始めてみてください。

次のような場合は、自己判断せず医療機関に相談してください

  • 気分の落ち込みが強く、仕事や日常生活に大きな支障が出ている
  • 不眠が2週間以上、ほぼ毎日続いている
  • 食欲不振や強い疲労感を伴う
  • 自分を傷つけたい気持ちが浮かぶ

まとめ

  • ストレスによる不眠は「過覚醒」という神経生理学的な状態として説明できます
  • 交感神経が優位な状態が続くことが、夜の眠りにも影響します
  • 耳から迷走神経に働きかける耳介鍼通電で、張り詰めた自律神経をほどいていきましょう
  • 症状が長引く場合や強い場合は、自己判断せず専門機関に相談してください

【参考・参照元】

  • 田ヶ谷浩邦「過覚醒と慢性不眠障害」実験医学online
  • Zhang S, et al. Transcutaneous Auricular Vagus Nerve Stimulation for Chronic Insomnia Disorder: A Randomized Clinical Trial. JAMA Network Open, 2024;7(12):e2451217.(論文)

その緊張、一人で抱え込まなくて大丈夫です

ストレスによる不眠は、気の持ちようではなく自律神経の状態として説明できる、れっきとした体の反応です。はりセラ淡路町院では、耳にある迷走神経へ通電することで、交感神経が優位なまま続く状態に直接アプローチします。「ずっと気を張っている」その緊張を、一緒にほどいていきましょう。

  • 耳介鍼通電を専門とし、自律神経のケアに特化した施術内容
  • ストレスの状況やお悩みをじっくり伺うカウンセリングを重視
  • 千代田区・淡路町のオフィス街にあり、仕事帰りにも通いやすい立地
ご予約はこちら

※効果には個人差があります。

不眠・睡眠障害について詳しくはこちら

この記事に関する関連記事

鍼灸院はりセラ淡路町院