【午後になると襲ってくる「ふわふわめまい」】 デスクワークとスマホが続く人へ

午後になると襲ってくる「ふわふわめまい」
デスクワークとスマホが続く人へ

院長 佐伯

院長 佐伯

「午前は平気なのに、昼過ぎになると足元が頼りなくなる」。その時間帯の偏りには、理由があります

こんにちは。はりセラ淡路町院の佐伯です。当院はオフィス街である千代田区淡路町にあり、一日中モニターに向かうお仕事の方から、ふわふわしためまいのご相談を数多くいただきます。グルグル回るわけではないから受診するほどでもない、と我慢されている方がとても多い症状です。本日は、なぜ午後にふわふわが強まるのかを医学的に整理し、職場でできる工夫と、鍼灸師として補助できる部分をお伝えします。

仕事中、こんな感覚になっていませんか?

  • 昼過ぎからモニターを見続けると、目の奥が重くなる
  • 立ち上がった瞬間、ふわっと足元が頼りなくなる
  • スマホをスクロールすると、景色が少し揺れる感じがする
  • 在宅勤務になってから、明らかに悪化した

グルグル回るわけではないから、と我慢していませんか。その「ふわふわ」にも、体のしくみとしての理由があります。

この記事の結論

平衡感覚は、内耳・視覚・体性感覚という3つの情報を脳がまとめて成り立っています。長時間の同一姿勢と画面凝視は、この3つのバランスを崩します。

  • 首と目に情報が偏ると、「回転」ではなく「ふわふわ」として現れやすい
  • 厚生労働省も、情報機器作業では連続作業を1時間以内にと示している
  • 鍼灸は首肩のこわばりや自律神経の負担を補助的に整えられる

なぜ午後になると「ふわふわ」してくるのか

私たちがまっすぐ立っていられるのは、脳が3つの情報を受け取って統合しているからです。

  • 内耳から届く、頭の傾きや回転の情報
  • から届く、周囲の景色や水平の情報
  • 首や足裏から届く、体の位置や重心の情報(体性感覚)

この3つが一致しているとき、私たちは何も感じずに立っていられます。ところが、どれかの情報が偏ったり食い違ったりすると、脳は判断に迷い、その迷いがふわふわとした不安定感として自覚されます。

午後にふわふわが強まるのは、午前からの同じ姿勢と画面凝視が積み重なり、首と目からの情報が疲労で乱れてくる時間帯だからです。時間帯の偏りには、ちゃんと理由があります。

「回転」ではなく「ふわふわ」になる理由

内耳のトラブルによるめまいは、グルグルと回る「回転性」になりやすいのが特徴です。一方、デスクワークに伴うものは、ふわふわ・地に足がつかない、という感覚になりやすい傾向があります。この違いには、首が関わっています。

首の深い筋は、頭の位置を知らせるセンサー

後頭部の深い層にある後頭下筋群は、頭の位置を感じ取るセンサー(固有受容器)が非常に密に分布しています。前かがみの姿勢が続くと、この筋群と胸鎖乳突筋が持続的に緊張し、首から脳へ送られる位置情報が乱れます。回転しているわけではないのに、安定しないという感覚は、ここから生まれやすいのです。

目と首は、セットで働いている

本来、目の動きと首の動きは連動しています。ところが画面を凝視し続けると、首を固定したまま目だけを細かく動かす状態が長く続き、この連動が崩れます。スマホのスクロールで景色が揺れて感じるのも、目からの情報処理に負担がかかっているサインです。

今日から職場でできる、3つの環境の整え方

施術以前に、まず環境から負担を減らすことが有効です。厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」でも、連続作業時間や休止時間の目安が示されています。

1
🖥️

モニターの高さを上げる

首の負担を減らす

画面の上端が、目線とほぼ同じ高さになるように調整します。ノートパソコンは構造上どうしても見下ろす姿勢になるため、台で持ち上げて外付けキーボードを使うと、首の前傾がぐっと減ります。

2
⏱️

作業を「区切る」

厚労省ガイドライン

厚生労働省のガイドラインでは、情報機器作業の一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の作業までに休止時間を設け、連続作業の途中にも短い小休止を入れることが示されています。集中が切れる前に、意識して区切ることが大切です。

3
👀

遠くを見て、目をリセットする

視覚の偏りを戻す

小休止のたびに、窓の外など遠くを20秒ほどぼんやり眺めます。あわせて肩甲骨を軽く寄せて胸を開くと、前かがみで固まった姿勢がリセットされ、呼吸も深くなります。

逆に、次のような対処は避けてください。

  • ふらつくからと、首を勢いよくぐるぐる回す(かえって症状を強めることがあります)
  • 「気合いが足りない」と考えて、休憩を取らずに我慢し続ける

鍼灸師の視点|デスクワークの方の体に起きていること

デスクワークの方のお体を拝見していると、共通した特徴が見えてきます。首の深い層のこわばり、肩甲骨まわりの動きの制限、そして呼吸の浅さです。この3つは連鎖していて、姿勢が固まると呼吸が浅くなり、呼吸が浅いと交感神経が優位に傾き、緊張がさらに抜けにくくなります。

セルフケアでは届きにくいのが、この深い層の緊張です。表面をほぐしても、奥の後頭下筋群が固まったままでは、位置情報の乱れが残りやすくなります。

鍼灸が補助できること

  • 手が届きにくい首の深部のこわばりをゆるめる
  • 肩甲骨まわりの動きと、呼吸の深さを取り戻す補助
  • 自律神経の偏りに働きかけ、疲労の抜けやすさを支える

鍼灸にできないこと

  • めまいの原因を診断すること
  • 「必ず治る」と保証すること(効果には個人差があります)
  • 働き方や作業環境そのものを変えること

だからこそ当院では、施術と同時にお仕事の環境をどう整えるかまで一緒に考えます。体を整えても、翌日また同じ姿勢に戻るのでは、根本的な負担は変わらないからです。

オフィス街の鍼灸院として、当院がよく伺うこと

はりセラ淡路町院はオフィス街にあり、デスクワークの方が多くいらっしゃいます。初回では、症状そのものだけでなく、次のようなことを丁寧に伺います。

  • 一日のうち、どの時間帯にふわふわが強くなるか
  • モニターの高さ、椅子、在宅か出社かといった作業環境
  • 休憩の取り方、睡眠、就寝前のスマホの使い方
  • めまい以外に、肩こり・頭痛・不眠などが重なっていないか

症状が出る「場面」まで具体的に分かると、お体のどこに負担が集まっているかが見えてきます。当院が問診の時間を長くとるのは、そのためです。「ただ肩をほぐして終わり」にはしたくないのです。

なお、当院は自律神経の調整を目的とした耳への電気鍼にも力を入れています。ふわふわしためまいに、不眠や動悸が重なっている方には、こうしたアプローチをご提案することもあります。もちろん、できること・できないことは正直にお伝えしたうえでです。

次のような場合は、デスクワークのせいと考えず、医療機関の受診を優先してください。

  • 突然の激しいめまいに、手足のしびれや力の入りにくさを伴う
  • ろれつが回らない、言葉が出にくい、物が二重に見える
  • 今までに経験したことのない激しい頭痛を伴う
  • 片方の耳の急な難聴、強い耳鳴りを伴う
  • ふらつきが3か月以上、ほぼ毎日続いている

とくに慢性的に続く場合は、別の病態が背景にあることもあります。耳鼻咽喉科や脳神経内科への受診を優先してください。鍼灸は、診断を受けたうえで補助的に活用するものです。

まとめ

午後に強まるふわふわしためまいは、気のせいでも疲れの言い訳でもありません。要点を整理します。

  • 平衡感覚は内耳・目・首や足裏の3つの情報で成り立ち、偏るとふわふわが出る
  • 対策の軸は、モニターの高さ・作業の区切り・遠くを見ること
  • 鍼灸はセルフケアで届きにくい首の深部と呼吸・自律神経を補助的に整える

「グルグル回らないから大丈夫」と我慢を重ねる前に、体からのサインとして受け止めてみてください。3か月以上続く場合は、まず受診をおすすめします。

【参考・参照元】

仕事帰りに、こわばった首と
浅くなった呼吸をリセットしませんか?

はりセラ淡路町院は、オフィス街にある鍼灸院です。デスクワークによる首肩のこわばりやふわふわ感のご相談を、日々多くいただいています。初回は、どの時間帯に症状が出るのか、作業環境はどうかまで丁寧に伺い、お体の状態をご説明したうえで、施術と職場での工夫の両面からご提案します。誇張はしません。できること・できないことを正直にお伝えします。まずは医療機関での診断を、そのうえで気になる方はお気軽にご相談ください。

めまいの相談を予約する

※効果には個人差があります。強いめまいやしびれ・頭痛・難聴を伴う場合は、医療機関の受診を優先してください。

めまいについて詳しくはこちら

この記事に関する関連記事

鍼灸院はりセラ淡路町院