【検査では「異常なし」なのにめまいが続く】 それは、気のせいではありません

検査では「異常なし」なのにめまいが続く
それは、気のせいではありません

院長 佐伯

院長 佐伯

「異常なしと言われたのに、毎日ふわふわする」というご相談を、よくいただきます

こんにちは。はりセラ淡路町院の佐伯です。耳鼻科や脳神経内科でしっかり検査を受けたのに「異常なし」「様子を見ましょう」と言われ、それでもめまいが続いて途方に暮れている。そんな方は少なくありません。検査で異常が出なくても、あなたの感じているつらさは本物です。本日は、検査に映りにくいタイプのめまいを医学的に整理し、鍼灸師として体の側からできる補助のかたちをお伝えします。

病院で検査を受けたのに、こんな思いをしていませんか?

  • MRIも聴力検査も「異常なし」だった
  • それでも毎日ふわふわして治らない
  • 「様子を見て」としか言われない
  • 気のせいだと思われている気がする

検査で異常が出ない=問題がない、ではありません。あなたの感じているつらさは、確かにそこにあります。

この記事の結論

3か月以上ほぼ毎日続く慢性のめまいで最も多いのは、PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)で、慢性めまいの約4割を占めるとされています。

  • 内耳や脳に構造的な異常がなくても、症状だけが続くことがある
  • 通常のMRI・聴力検査では映りにくいため「異常なし」になりやすい
  • 検査に映らない筋・自律神経・姿勢の要因に、体の側から補助できる

「異常なし」でもめまいが続くのは、なぜ?

まず知っていただきたいのは、検査の役割です。MRIや聴力検査は、主に命に関わる病気や、はっきりした構造の異常を見つけて除外するために行われます。つまり「異常なし」という結果は、脳卒中や腫瘍といった怖い病気の可能性を否定できた、というとても重要な朗報でもあります。

けれども、それは「症状の原因がまったくない」という意味ではありません。世の中には、こうした検査に映りにくいタイプのめまいがあります。

「異常なし」は、"怖い病気ではない" という安心材料です。しかし "原因不明のまま我慢し続けてよい" という意味ではありません。次に考えたいのが、検査に映りにくいタイプのめまいです。

慢性めまいで最も多い「PPPD(機能性めまい)」とは

PPPDは「持続性知覚性姿勢誘発めまい」の略で、2017年に国際的な学会が定義した比較的新しい概念です。慢性めまいの原因として最も多く、約4割を占めるとされています。次のような特徴があります。

  • 3か月以上、ほぼ毎日続く「ふわふわ」「地に足がつかない」感覚
  • 立っている時・歩いている時に悪化しやすい
  • 人混み、スーパーの陳列棚、スマホやパソコンの画面など、動くものや複雑な模様で悪化する
  • 座って安静にすると、比較的楽になる

きっかけは、BPPV(頭位性めまい)や前庭神経炎などの急性のめまい、あるいは強いストレスや不安であることが多いとされます。最初のめまいが治った後も、脳が過敏な状態を続けてしまうことで、ふわふわ感だけが残るのです。

なぜ検査に映らないのか|「構造」ではなく「情報処理」の問題

ここが、多くの方が誤解されやすいポイントです。MRIは脳の「構造」を、聴力検査は耳の「機能」を調べます。ところがPPPDは、内耳や脳そのものが壊れているのではなく、平衡感覚の「情報処理」が過敏になっている状態です。だから、画像や数値には映りにくいのです。

たとえるなら、パソコンの部品(ハード)は正常なのに、設定(ソフト)が過敏になっているようなものです。故障ではないので点検では見つかりませんが、使っている本人にとっては確かに不調が続きます。

だから、めまいが続くのは「気のせい」でも、「精神的なものだから」と片づけてよいものでもありません。脳の情報処理という、れっきとした体のしくみの問題です。

鍼灸師の視点|検査に映らない「体の側」を整える

PPPDや慢性のめまいでは、次のような「検査に映りにくい体の要因」が重なっていることが多くあります。

  • 首肩の過緊張(後頭下筋群など、位置覚を担う筋のこわばり)
  • 自律神経の偏り(交感神経が優位になり、呼吸が浅くなる)
  • 不安や緊張による、全身の筋のこわばり

鍼灸は、こうした体の側の要因に働きかける立場です。できることと、できないことを正直に整理します。

鍼灸が補助できること

  • 首肩のこわばりをゆるめ、位置覚の乱れをやわらげる
  • 自律神経の偏りに働きかける補助
  • リラックスできる時間で、過敏さの悪循環をゆるめる

鍼灸にできないこと

  • PPPDを診断すること
  • 「必ず治る」と保証すること
  • 医療機関の治療(前庭リハ・薬物療法・認知行動療法など)の代わりになること

PPPDの標準治療には、前庭リハビリテーション、抗うつ薬(SSRI/SNRIなど)、認知行動療法などがあります。鍼灸はこれらに置き換わるものではなく、首肩や自律神経の面から併用で支える立場です。

もう一度、相談してみてほしいこと

「異常なし」で終わってしまった方へ。あきらめる前に、次の一手があります。

  • めまいを専門とする耳鼻咽喉科(めまい外来)に相談する
  • PPPDを評価する問診票(新潟PPPD問診票など)があることを知っておく
  • 症状が出る場面(立位・歩行・視覚刺激など)をメモして持参する

症状のパターンを具体的に伝えられると、適切な診断にたどり着きやすくなります。診断がつけば、治療の選択肢が見えてきます。一人で「気のせい」と抱え込まないでください。

「異常なし」と言われていても、次のような"新しい変化"があれば、あらためて受診してください。

  • 突然、これまでと違う激しいめまいが起きた
  • 手足のしびれや力の入りにくさ、ろれつが回らない
  • 今までに経験したことのない激しい頭痛を伴う
  • 片方の耳の急な難聴、強い耳鳴りを伴う
  • 立てない、まっすぐ歩けないほど症状が強い

これらは急を要する病気のサインのことがあります。慢性のめまいとは別物として、すぐに受診してください。

まとめ

検査で「異常なし」と言われても、めまいが続くのは気のせいではありません。要点を整理します。

  • 慢性めまいで最も多いのはPPPD(機能性めまい)で、約4割を占めるとされる
  • 内耳や脳の「構造」ではなく「情報処理」の過敏さが原因のため、検査に映りにくい
  • 鍼灸は診断・根治はできないが、首肩・自律神経の面から併用で支える

「異常なし」で終わらせず、めまい外来への相談と、体の側からのケアを組み合わせていきましょう。あなたのつらさは、確かにそこにあります。

「異常なし」と言われた後こそ、
体の側からのケアを始めませんか?

検査で異常が見つからなくても、続くめまいには首肩のこわばりや自律神経の偏りが関わっていることがあります。はりセラ淡路町院では、医療機関での診断・治療を前提に、検査に映りにくい体の要因に着目した補助的なアプローチをご案内しています。「異常なしと言われたけれど、このままでいいのか不安」という方は、一度ご相談ください。

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※PPPDの診断・治療は医療機関で受けてください。新しく強い症状が出た場合は、受診を優先してください。

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