更年期と自律神経失調症の違いは?
ストレスで悪化する本当の理由
院長 佐伯
「更年期でしょうか?それとも自律神経失調症でしょうか?」
こんにちは。はりセラ淡路町院の佐伯です。これは当院でも非常によく受ける質問です。病院で「自律神経の問題ですね」と言われた方もいれば、「年齢的に更年期かもしれませんね」と言われた方もいて、結局どちらなのか不安になりますよね。結論から言うと、この2つは別の病気ではなく、症状が大きく重なっている状態と考えると理解しやすくなります。本日はその理由を、やさしく解説します。
こんな症状で受診したことはありませんか?
- 動悸がする
- めまいがある
- 不眠が続く
- イライラする
- 身体がだるい
同じ症状でも、ある病院では「自律神経の問題」、別のところでは「更年期かも」と言われる。それは、両者の症状が大きく重なっているからなのです。
この記事の目次
この記事の結論
更年期障害と自律神経失調症は別の病気ではなく、症状が大きく重なっている状態と考えると理解しやすくなります。
- 女性ホルモンの変動が、自律神経にも影響を与えるため症状が似る
- そこにストレスや睡眠不足が加わると、症状は悪化しやすい
- 「どちらか」で考えず、身体全体のバランスをみることが大切
自律神経とは?
自律神経とは、私たちが意識しなくても身体を調整してくれる神経です。たとえば、呼吸・心拍・血圧・体温・発汗・睡眠などをコントロールしています。
自律神経には、大きく2つの働きがあります。
交感神経
- 活動モード
- 緊張・興奮しているとき
- 心拍や血圧を上げる
副交感神経
- 休息モード
- リラックスしているとき
- 身体を回復させる
この2つの切り替えがうまくいかなくなると、さまざまな不調が現れます。
自律神経失調症とは?
実は「自律神経失調症」という言葉は、非常に幅広い意味で使われます。一般的には、検査では大きな異常が見つからないものの、次のような症状が続いている状態を指して使われます。
- 動悸
- めまい
- 不眠
- 倦怠感
- 頭痛
その背景には、ストレス・睡眠不足・過労・不安などが関係していることがあります。
更年期障害とは?
更年期障害は、女性ホルモン(エストロゲン)の変動によって起こる心身の不調です。代表的な症状には、次のようなものがあります。
- ホットフラッシュ(ほてり)
- 発汗
- 動悸
- 不眠
- イライラ
- 気分の落ち込み
日本女性医学学会や厚生労働省でも、更年期の症状は非常に多彩であることが示されています。
症状がそっくりな理由
ここが最も重要なポイントです。更年期になると、エストロゲンの変動によって脳の視床下部(ししょうかぶ)が影響を受けます。視床下部は、ホルモン調節と自律神経調節の両方を担当しています。
ホルモン変化が自律神経に伝わる流れ
同じ視床下部が両方を担っているからこそ、更年期障害と自律神経失調症の症状は非常によく似てくるのです。
更年期障害でみられる症状
- ホットフラッシュ・発汗
- イライラ・気分の落ち込み
自律神経失調症でみられる症状
- めまい・頭痛
- 倦怠感
だからこそ「どちらか」を分けにくい
ストレスが症状を悪化させる理由
更年期の症状は、ホルモンだけで決まるわけではありません。実際には、心理的・社会的な負担が重なりやすい時期でもあります。
- 仕事
- 子育て
- 親の介護
- 夫婦関係
- 将来への不安
厚生労働省の資料でも、更年期症状には心理的・社会的要因が関与するとされています。
ホルモン変化 + ストレス
この組み合わせによって、症状が強くなることがあります。
鍼灸師の視点|実際は両方が重なっていることが多い
来院される患者さんをみていると、「更年期だけ」「自律神経失調症だけ」というケースはむしろ少数です。たとえば、次のような症状が同時に存在することも珍しくありません。
- ホットフラッシュ
- 不眠
- 肩こり
- 胃腸の不調
- 疲労感
こうした場合、身体は常に緊張状態になっています。
解剖学的にみると
特に緊張しやすいのは、次の部位です。
- 首の深層筋
- 胸郭まわり
- 横隔膜
- 咀嚼筋(そしゃくきん/かむための筋肉)
ストレスが続くと呼吸が浅くなり、自律神経のバランスにも影響を与えやすくなります。当院では、こうした身体の緊張も含めて全体をみていきます。
次のような症状がある場合は、自己判断を避けましょう。
- 強い胸痛・息切れがある
- 失神したことがある
- 手足の麻痺やしびれがある
- 強い抑うつ状態が続いている
更年期以外の病気が隠れている可能性があります。こうした場合は、早めに医療機関へご相談ください。
まとめ
更年期障害と自律神経失調症は、症状が非常によく似ています。その理由は、女性ホルモンの変動が自律神経にも影響を与えるからです。
さらに、次のような要素が加わることで、症状は悪化しやすくなります。
- ストレス
- 睡眠不足
- 過労
大切なのは、「更年期か、自律神経失調症か」と二者択一で考えるのではなく、身体全体のバランスをみることです。一つの病名にとらわれず、今の身体の状態に合わせて整えていきましょう。
【参考・参照元】
- 日本女性医学学会「女性のヘルスケア・更年期に関する情報」
- NIH/NCCIH「Menopausal Symptoms and Complementary Health Approaches」
「更年期か、自律神経か」で迷っている方へ。
身体全体のバランスから見直しませんか?
更年期障害と自律神経失調症は、症状が大きく重なり、はっきり分けられないことが少なくありません。背景には、女性ホルモンの変動とストレスの両方が関係しています。はりセラ淡路町院では、病名で切り分けるのではなく、首肩や胸郭の緊張・呼吸・睡眠・自律神経のバランスまで含めて、お一人おひとりの状態を丁寧に見極めます。鍼灸は医療機関の治療に置き換わるものではありませんが、自律神経の面から回復をサポートします。「いろいろな不調が重なってつらい」という方こそ、一度ご相談ください。
※症状が強い場合は、医療機関の受診とあわせてご検討ください。
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